歯の悩み Q&A
2016年12月27日
知覚過敏と診断されて、二度歯に膜を塗布する治療を受けましたが、二度ともすぐにはがれて元に戻ってしまいました。他に有効な治療法はないのでしょうか。
金井由起先生からのアドバイス
知覚過敏は正式には象牙質知覚過敏症といい、神経が生きている歯において歯の表層のエナメル質が欠けて内部にある象牙質が露出したり、歯肉がやせてエナメル質に覆われていない歯の根が露出することで、様々な刺激による知覚が過敏になっている状態の歯の疾患のことをいいます。知覚過敏は、むし歯が無いのに甘いもの、冷たいもの、温かいものなどで歯がしみる症状がでます。よって、治療としては露出した象牙質を何らかの材料で覆うことで刺激の遮断を図ることとなります。歯科医院では、まずは象牙質表面に膜を作ったり、象牙質表面にある神経と通じている管(象牙細管)を封鎖するような薬を塗布して改善を図りますが、質問者のようにすぐに剥がれてしまうことも多く、薬の塗布で改善が見られない場合には、歯の根の露出がある程度あれば(露出が小さいと剥がれやすい)、その部分をプラスチックで覆う処置を施します。また、知覚過敏の原因が歯ぎしりや食いしばりなどであることも多く、その場合には日中はくいしばらないように気をつけ、就寝時に歯ぎしりや食いしばりがある方はマウスピースを作製して装着することで症状が緩和されることもあります。それ以外に、知覚過敏が軽度である場合にはセルフケアでもある程度改善が可能です。知覚過敏用の歯みがき剤には乳酸アルミニウムのような象牙細管を封鎖する成分や、硝酸カリウムのような歯の神経の感覚を麻痺させる成分が入っており(歯みがき剤によって入っている成分は異なる)、知覚過敏症状を緩和させます。また、歯みがき剤によく入っているフッ素も知覚過敏予防の効果があります。しかしながら、いずれの成分も効果を発揮させるには使い方が大切です。歯みがき後のゆすぎを15mlのお水で一回程度とし、歯みがき剤中の成分を残すようにして下さい。その後30分は飲食しないことも大切です。また、かんきつ類や清涼飲料水、ワインなど酸性の飲食物の頻繁な摂取や、歯の根元をあまり強くみがくことは知覚過敏を増長させるので注意しましょう。
グラントウキョウオーラルヘルスケアステーション 院長 金井由起 先生
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